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模擬家屋上棟式

2023年10月25日 10:54 建築大工技能科

かねてから予告していた、建築大工技能科模擬家屋の上棟式を開催しました。

建物を建てるうえでの儀式は、地鎮祭、上棟式、竣工式の3つがあげられると思います。

上棟式とは、家屋の守護神と大工の神を祀って、棟上げを無事に終えられたことに感謝するとともに、最後まで工事の安全を祈る儀式で、棟上げ式とも呼ばれます。神恩に感謝すると同時に、施主は建築現場の関係者に料理やお酒をふるまって宴会を執り行ったり、手土産やご祝儀を渡したりするなどして、労いの気持ちを表します。
また近隣の方々への顔見せ、挨拶の意味合いも含まれているといいます。

※諸説あります。

最近では予算もかかることから上棟式を行わない事の方が多くなりましたが、地域によっては文化として根強く残っていたり、その土地の風習でやり方が異なったりする場合もあります。
私も小さなころ父親に連れられて何度も見てきましたが、紅白の餅を拾ったり、かなりの高額な(子供目線で)ご祝儀をお客さんから貰うのが楽しみでした......

開催に向けてポスターを作ったり、撒き物を用意したり準備もばっちりです。

紅白の撒き餅

ポスター

今回は本校の留学生も招待し、日本の古くから伝わる建築文化に触れてもらう事にしました。

供え物としては縁起物で鯛を用意することが多いですが、我々はたい焼きです(笑)。そのほか建物の4隅に置く隅餅(紅白2段重ね)お神酒、水、塩、米、旬の果物などを用意します。
撒き物として、今までの我々の上棟式ではお菓子やカップ麺等を撒きいてきましたが、今回は紅白の餅も用意し、より本番に近い演出です。

撒き銭は穴のある5円玉です。皆様にご縁がありますようにとの意味合いや、小さな穴から先が見渡せる(暗い世の中でも一筋の光が見えるので縁起がいい)などと言われています。

紅白の餅は固くならないうちに生で食べる!が絶対です。
何故か分かりますか?
焼くとその家が火事になる。や、煮たりすると水害に遭う。などその家にとって不幸なことが起きないようにと縁起を担ぐのです。

隅餅

祭壇

神主役を講師の先生、棟梁役を建築大工技能科学生、施主役が私と役割を決め、始めて行きます。
神主が祝詞を上げ、建物の4隅に塩、米、お神酒、水を撒き、清めます。

いよいよ、撒く時が来ました。今回、留学生の皆さんと実習棟敷地内にある姉妹校の東日本航空専門学校の学生さんが授業の合間を縫って参列(参加)してくれました。
学校、学科をまたいでの集合写真も撮り、幕を閉じました。

今回、留学生のみなさんに日本の上棟式文化を知ってもらうために準備をしていたら、とある国の学生さんから、自分の国でも同じようなことをする!という事を聞きましたので、そちらについても近いうちにふれていきたいと思います。

東北電子専門学校の建築大工技能科では在学中に2棟の家を実際に建てる!という一連の作業を行います。