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特別授業「墜落制止用器具出張講習」

2023年7月 3日 12:43 建築科

2022年より墜落制止用器具の法令改正が完全移行し、足場の上での高所作業(検査や打合せなど)でフルハーネス安全帯の着用が義務化されました。

メーカーであるスリーエムジャパン株式会社(※1)が墜落制止用器具フルハーネス型について正しい理解をしてもらうために開発した3Mデモトラックで全国キャラバンを行っている(昨今のコロナ禍の影響で3年ぶりにデモトラックの展開が可能になったそうです)のですが、今回、東北電子の敷地内でデモンストレーションを行う運びとなりました。

建築科の学生であっても、就職したら施工管理等での関係上、足場の上で業務を行うこともあります。その際はフルハーネス型安全帯の着用が必須です。また、建築士等資格試験の安全衛生規則の分野での出題も多くなってきています。そのため、実務で使用している墜落制止用器具の有効性をより深く理解してもらうために「墜落制止用器具出張講習」を実施することにしました。

3Mデモトラック

説明を聞く

講習で使用されるものは、基準をクリアするための試験で使用されるトルソー85㎏(人形)と3種類のランヤード(※2)。墜落時に生じる衝撃荷重の数値を画面で確認し、同時に墜落時の姿勢も目にすることができました。

トルソー(人形)

ランヤード

緩めの装着

正しい装着

クルマのシートベルトもそうですが、正しく装着していないとかえって身の危険に晒してしまう恐れがあります。ゆるく装着していると、万一墜落(落下)した際にしっかり身体が保持されずに地面に激しく打ち付けてしまう可能性もあります。ひとつしかない命を守るためには、ぜひとも正しい装着方法を学ぶことが大切です。

この状態で助けを待つ

この講習を通して、安全性の確保をはじめ正しい着装方法を習得し、使用している保護具がどれだけ大切なのか、これから働く現場での心得や仲間に対しての声掛けなど、得た経験が生かされる時間になればと思っております。

※1:スリーエムジャパン株式会社はアメリカ合衆国に本社を置く世界的化学・電気素材メーカー3Mの日本法人。

※2:ランヤードとは、墜落を防止するための「命綱」のこと。片方をフルハーネスにつけ、もう片方は構造物などに架け渡した親綱や足場の手すり等にフックをかけます。