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模擬家屋の上棟式を行いました!

2024年9月18日 16:16 建築大工技能科

かねてから予告していた、建築大工技能科模擬家屋の上棟式を開催しました。

建物を建てるうえでの儀式は、地鎮祭、上棟式、竣工式の3つがあげられると思います。

上棟式とは、家屋の守護神と大工の神を祀って、棟上げを無事に終えられたことに感謝するとともに、最後まで工事の安全を祈る儀式で、棟上げ式とも呼ばれます。神恩に感謝すると同時に、施主は建築現場の関係者に料理やお酒をふるまって宴会を執り行ったり、手土産やご祝儀を渡したりするなどして、労いの気持ちを表します。
また近隣の方々への顔見せ、挨拶の意味合いも含まれているといいます。

※諸説あります。

最近では予算もかかることから上棟式を行わない事の方が多くなりましたが、地域によっては文化として根強く残っていたり、その土地の風習でやり方が異なったりする場合もあります。
私も小さなころ父親に連れられて何度も見てきましたが、紅白の餅を拾ったり、かなりの高額な(子供目線で)ご祝儀をお客さんから貰うのが楽しみでした......

開催に向けてポスターを作ったり、撒き物を用意したり準備もばっちりです。

供え餅・撒き餅

お菓子もまきました

今回も本校の留学生を招待し、日本の古くから伝わる建築文化に触れてもらう事にしました。

供え物としては縁起物で鯛を用意することが多いですが、我々はたい焼きです(笑)。そのほか建物の4隅に置く隅餅(紅白2段重ね)、中央に供え餅、お神酒、水、塩、米、野菜(大根)、旬の果物、昆布、するめなどを用意します。(地方によって様々です)

祭壇

本番前の打合せ

大根がある理由。皆さん、胸やけしないように大根おろしをいっしょに食べますよね?
建物の1番高いところにある部材が棟(棟木)です。その棟が焼けないように(火事で焼けないように)という日本語ならではの言葉のあやでの願いもあるそうです。

撒き物として、今回は紅白の餅やご縁がありますようにと5円玉の撒き銭を用意し、より本番に近い演出です。

撒き銭は穴のある5円玉です。皆様にご縁がありますようにとの意味合いや、小さな穴から先が見渡せる(暗い世の中でも一筋の光が見えるので縁起がいい)などといわれています。

紅白の餅は固くならないうちに生で食べる!が絶対です。
何故か分かりますか?
焼くとその家が火事になる。や、煮たり(お雑煮など)すると水害に遭う。などその家にとって不幸なことが起きないようにと縁起を担ぐのです。

神主役を講師の先生、棟梁役を建築大工技能科学生、施主役が本校教員と役割を決め、進めていきます。
神主が祝詞を上げ、建物の4隅に塩、米、お神酒、水を撒き、清めます。

施主役

棟梁役

いよいよ、撒く時が来ました。今回、留学生の皆さんと実習棟敷地内にある姉妹校の東日本航空専門学校の学生さんが授業の合間を縫って参列(参加)してくれました。
予想を上回る人数が集まり、用意した撒き物が足りなくなるのでは?と思うほどでした。
学校、学科をまたいでの集合写真も撮り、大盛況で終了しました。

大勢の方に集まってもらいました

留学生の皆さんに日本の上棟式文化を知ってもらうために事前準備をしていたら、複数の国の学生さんから、自分の国でも同じようなことをする!という事を聞き、写真などを見せてもらいました。
日本では鯛を並べますが、国によっては鶏や豚を並べるそうです。お赤飯に代わるおこわや、米が原材料となる、地元のお酒など、似たような文化があることがわかり大変勉強になりました。

東北電子専門学校の建築大工技能科では在学中に2棟の家を実際に建てる!という一連の作業を行います。