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校外学習 中編「製材所見学」

2024年1月 9日 09:45 建築大工技能科

宮城県内を代表する建材販売会社である株式会社山大さんが主催する、植林地及び製材工場の見学会に建築大工技能科1年生が参加し、石巻の先にある雄勝町の山林へ向かいました。
このブログでは中編として「製材所見学」の様子を紹介します。

植樹の後は伐採した原木がどのようにして売り物になるのか、製材所の見学に行きました。
数十メートルに生育した木を3m~4mに切り、山から運んできたものを末口(木の先端側)の太さごとに分けて保管してありました。

切り口には末口寸法と、伐採した山がわかるようにスプレーで印が付いています。万一不良(虫食いなど)があった際その山がどこだったのか分かるようにしているそうです。

トレーラーで運ばれてきた原木

切り口の印

木の皮をむき製材されていきます。
昔は製材したての生木のまま製品として出荷されていましたが、乾燥するにしたがって曲がりや狂い、割れ、断面寸法が細くなったリなどなどそういう時代でした。

皮むき機

皮むき後

今は人工乾燥と言って乾燥して収縮する分を見込んで太め(約20%増)に製材し、窯に入れ乾燥させるのだそうです。
105㎜×30㎜の製品を作るために写真にもありますが121㎜×36㎜に製材し乾燥させます。
ここでびっくりしたのは窯に使う燃料は剥いだ木の皮や製材時に出た端材などを外部で処分することなく使っており、近接する製紙工場に原材料として搬出されてもいるそうです。

製材機

太めに製材

乾燥窯から出された材料は、数日間外に放置して内部に貯まった熱を冷まし、プレーナーと呼ばれる機械で指定寸法まで削り落とします。
その中でも特に良い材料は「宮城の伊達な杉」のブランドで流通するのです。

製材所を見学して時代の流れを感じたのが、従来土台には、栂(ツガ)やヒノキなどを薬剤注入して防腐・防蟻効果を持たせていましたが、今現在は杉の赤材(木の心を含む赤身の部分)に薬剤処理して使われ始めているという事でした。
真っ先に耐久性が気になりましたが、米杉材を外部仕上材として使ってきた実績もありますし、実験の結果でも一番蟻害が少なかったと教わりました。

「宮城の伊達な杉」の説明

防腐処理された杉土台

東北電子専門学校の建築大工技能科では在学中に2棟の家を実際に建てる!という一連の作業を行います。