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コンクリートの圧縮強度試験

2024年11月20日 12:01 建築科

間隔があいてしまいましたが、前回生コンを作って打設するまでを見ていただきました。今回はコンクリートの圧縮強度試験です。

コンクリートは4週間かけて強度が発現していきます。(28日材齢強度などどいいます)
前回作成したテストピースを使用し、毎週1個づつ供試体を圧縮試験機にかけ、強度を測定し材齢とともに強度がどのくらい発現していくかを4週かけて調べていきます。

前回、製作したテストピースのレイタンス(※1)を除去しキャッピング(※2)をすませ、脱型後水槽に入れ水中養生を行っていました。
試験当日の朝、水槽から取り出し、軽く水気を切って、午後からの試験にのぞみます。

レイタンス除去

セメントペーストつくり

キャッピング完了

水中養生

試験機の使い方のお手本を見て覚えていきます、焦らずゆっくりと加圧していきます。
4週にわたり全4回の試験を実施するので、最低1人1回は機械の操作を行えるように順番を決めて、いよいよ試験開始です。1番最初に試験する人は毎年緊張気味です。
急激に力を加えると、正確な強度が測定できないので、針の動きを見ながらゆっくりダイヤルを回していきます。

徐々に力を加えていくと供試体にひびが入ってきます。その後大きく崩れます。
1週目の写真ですが約76000Nを指していますね。

試験機のメモリ

この数字を供試体の直径の表面積で割りますとコンクリートの1mm²(1平方ミリメートル)当たりの圧縮強度がわかります。

供試体の直径→100mm 表面積→7850mm²

測定の結果9.68N/mm²となります。1週ごとに強度が増していき最終的には4週目で約190000Nの数字が出ました。
計算すると24.2N/mm²、目標値が27N/mm²でしたので、手練りでここまでの数字を出すことができるのはりっぱな結果ですね。

この数値が今年の最高値でした。

試験終了

供試体の重さを量る

脱型後の清掃

■※1)レイタンス除去とは:
コンクリート中に含まれる微粒子などが上昇してできた、空気を多く含む脆弱な物質を、コテなどで削りとる作業です。
コンクリートの打継ぎで付着性を良くするためや、ひび割れを防止するために、レイタンス除去を行います。

■※2)キャッピングとは:
製作したテストピースの上面は、わずかながらデコボコしています。
圧縮試験時に均一に力が加わるように、セメントペーストをなじませ上面をツルツルにする作業です。